体験を設計する可視化インターフェース
【基礎知識|UIとHMI、その違いと重なり】
UI(ユーザーインターフェース)とは、
人が機械やシステムと関わる“接点”を指します。
スマートフォンの画面やATM、
自動運転車のダッシュボードに至るまで、
私たちは日常的にUIを通して操作を行っています。
一方、HMI(ヒューマンマシンインターフェース)は、
特に工場や制御装置における人と機械の
橋渡しを担う重要な設計領域です。
HMIでは誤操作の防止や異常時の対応、
安全性と効率性の両立が求められます。
【構成方法|HMI画面の構成と設計の基本】
HMI画面構成の基本は、
「情報の優先順位」と「視認性の確保」です。
たとえば工場設備では、
“今の状態”と“操作の指示”を
明確に分けてレイアウトする必要があります。
背景色の使い方、ボタンの大きさと配置、
視線の動きを意識した画面設計が鍵となります。
利用者のスキルや装置の配置、
作業環境まで含めた“文脈設計”が重要です。
【技術やノウハウ|操作性とUXの評価手法】
UI/HMIの使いやすさは、
操作時間やステップ数などの定量評価と、
使用者の心理的迷いや混乱などの
定性観察によって把握する必要があります。
最近では、操作ログの記録、
視線追跡やヒートマップ分析など
AIツールを用いたUX評価も普及しています。
“違和感の発見”こそが改善の起点となります。
【技術やノウハウ|フィードバックとアラート設計】
HMIにおいて、異常時の“視認性”は極めて重要です。
通常時は控えめな表示でも問題ありませんが、
異常発生時には即座に目に入る視覚設計が必要です。
警告は赤、操作は青など色分けの統一や、
音声・点滅の併用、階層表示で
内容の明示と即応を可能にします。
ただし、アラート過多は逆効果になるため、
設計者の見極めが問われます。
【技術やノウハウ|UI展開と運用設計】
UIは作って終わりではありません。
バージョン更新や機能追加、
製品バリエーションへの対応も想定し、
長期運用を見据えて設計する必要があります。
ルールの明文化やテンプレート化、
社内での改修のしやすさまで考慮し、
ユーザーとの“継続的な関係”を築く
「運用設計」こそが真のUIです。
【共創アイデア|ユーザーと共に成長するUI】
優れたHMIは“使う人の声”を正しく拾います。
不要な操作項目を削除したり、
説明不足だった部分に補足を加えたりすることで、
UIはユーザーと共に進化していきます。
開発初期からユーザーとの接点を持ち、
改善サイクルを見える化し共有することで、
HMIは単なるインターフェースから
“共創の場”へと進化します。
Primal Design.Laboでは、
設計空間に現場の空気を持ち込み、
ただの「表示画面」ではない、
“文脈あるUI”を構築しています。
【小話|使い手が語るUIの記憶】
ある町工場にタッチパネルの制御装置が導入されました。
「ボタンが小さすぎる」「アラートが読めない」
といった声が多く寄せられました。
デザイナーは現場に足を運び、
装置を手袋のまま操作する実態を観察。
その結果、UIを再設計しました。
・ボタンを大きく、色変化で触覚を補完
・アラートを「圧力異常:バルブC確認」のように明示
改善から2ヶ月後。現場の主任はこう語りました。
「今は機械の方がこっちに話しかけてくるようだ」と。
それがUIの本質──“対話する機械”の実現です。
【締め|Primal Design.Laboの提案力】
Primal Design.Laboでは、
現場観察に基づいたHMI設計を行っています。
操作パネル、医療端末、物流管理システム、
そしてIoTとつながる次世代インターフェースまで。
誰が、どこで、どのように使うか。
すべての“使用文脈”を読み解いた上で、
最適なUI/HMIをご提案いたします。
「使いやすさ」では終わらない、
「語りかけてくるUI」を
一緒につくっていきませんか?