機器設備導入支援/教育サービス

 

ものづくりの現場に「正しい機械」を届け、

「使いこなす力」まで支援することで、

現場力・組織力・競争力のすべてを底上げする。

本稿では、導入判断から活用支援までを一貫して

プロフェッショナル視点で解説していきます。



【基礎知識|設備導入は“目的”から始まる】


機械を導入する目的は、単なる生産能力向上だけでなく

内製率向上、品質の安定、納期短縮、教育ツール化など

多岐にわたります。まず最初に整理すべきは

「何のために導入するのか」という目的設定です。

この目的に対して、どの設備が適しているのか。

単価×ロット数=総加工量×精度×再現性の観点で

必要性能の算出が重要となります。



【構成方法|導入検討のステップ】


①機種選定:候補機を比較・試作・評価する

②設置要件:設置スペース・電源・排気を確認

③導入予算:本体・付帯設備・教育費を合算

④オペレーション:人材育成/運用体制の整備

⑤長期運用:保守体制/代替部品の確保

これらを漏れなく押さえることが導入成功の鍵です。



【内製/外注/代行の判断基準】


“内製するかどうか”は単なるコスト試算ではなく

以下の観点から整理します。

・コア技術となるか?(機密性/競争力)

・学習効果があるか?(教育資産化)

・稼働率が見込めるか?(固定費の回収)

これらを踏まえ、外注・代行・レンタルといった

別解を選ぶことも合理的です。



【高額機導入の注意点】


UVプリンタ、3Dプリンタ、レーザー加工機のように

デジタル系設備でも、本体以外の

“非可視コスト”が膨らみがちです。

例:試作材料費、電源工事費、換気・排気工事、

基礎の改修など、初期費用の20~50%が別途かかる例も。

さらに、加工設定のノウハウや保守の可用性も

導入の可否を大きく左右します。



【失敗事例|用途に合わない機器の導入】


ある企業では、備品の名札を内製化するという理由で

商社の薦めるUVプリンタ(約200万円)を導入しました。

しかし、実際に求められていたのは、

カードプリンタ(約30万円)で十分な業務内容でした。



現場に丸投げされたのは総務課。

「毎朝10分で名札を印刷してほしい」と

軽く依頼されたはずが、実際は

毎回位置決めに時間がかかり、治具もなく、

段取りから後処理までに2時間を要する羽目に。



しかも、UVプリンタは平面印刷を前提とするため

家庭用のようなガイドもなく、ズレやミスが頻発。

気づけば大量の不良在庫が出てしまい、

誰にも使われぬまま倉庫に眠ることになりました。



このように、「導入の段階で使う人と使い方を定義する」

基本中の基本が抜けていたことが原因です。

機器の価格差もさることながら、

最も大きな損失は“時間”と“人の信頼”でした。





【マシニングセンタの導入論点】


数千万円規模となる工作機械の導入では、

レイアウト、重量対応床構造、CNC教育、

工具ライブラリの準備が不可欠です。

また、加工精度と品質保証(測定)を両立させるため、

リニアスケール・温調・ジグ設計も含めた総合判断が必要。

加工コストシミュレーションでは

C=(L×S)/(A×R×T)という評価式を用い、

稼働率R、段取工数T、段階精度Aで算出する例もあります。



【測定機器の導入と採算】


三次元測定機などは直接利益を生まないため、

“最後まで導入が遅れる”設備です。

しかし、品質保証・信頼構築・トレーサビリティの観点で

顧客に対して強い訴求力を持ち、受注競争力を高めます。

測定機の教育支援では、操作訓練と同時に、

測定理論、誤差の種類(系統誤差・偶然誤差)など

理論武装も並行して行うことが効果的です。



【教育支援の構成】


設備導入後に最も大切なのは「使い手の育成」です。

以下の3フェーズで設計します。

①操作訓練:基本動作・安全操作・異常時対応

②加工設計:材料設定、速度・出力・軌道補正

③活用戦略:社内展開、他部署連携、製品化応用

「なぜこうするのか」を理解することで

応用力が育ち、活用度が向上します。



【社内活用度を高める仕掛け】


導入後も使われ続けるために、以下の仕掛けを行います。

・技術ポスターの掲示(パラメータ事例、失敗例)

・定期ワークショップ(教育→応用へ)

・導入初期に“成功体験”を作る(自社品の製作など)

・KPI設定(稼働率・社内利用数・教育完了率)

こうした取り組みで「宝の持ち腐れ」を防ぎます。



【導入支援事例|某メーカーの再構築】


ある食品工場では、外注に頼っていたパッケージの型製作を

3DプリンタとCNCルーターで内製化。

初期導入は400万円ほどの設備であったが、

1年で累計120型を内製し、外注費を600万円削減。

また、若手社員の“設計意識”が育ち、

商品開発リードタイムも短縮される成果を得ました。



【導入に伴う助成金の活用】


都道府県や中小企業支援機構では、

新製品・新技術導入に対し

最大1/2補助・上限1500万円といった制度があります。

導入時は補助対象経費(本体・設置・ソフト・教育)を

見積で明確化し、事前審査を確実に通す必要があります。

※弊社では申請書作成・事業計画構築もサポートしています。



【用語解説】


■UVプリンタ:紫外線硬化インクを用いた高精細印刷機。

立体物・樹脂・金属にも印刷可能。

■三次元測定機(CMM):XYZ方向の立体寸法を

接触または非接触で測定する装置。ミクロン単位の測定精度。

■CNC:コンピュータ数値制御(Computer Numerical Control)。

マシニングセンタ等で、プログラム制御による自動加工。

■リニアスケール:直線位置を高精度に測定するセンサ。

機械精度向上に不可欠。



【小話|“未経験者が設備を活かすまで”】


ある日、とある町工場の若手社員が、

「UVプリンタって難しそうですね」と

初めて触れる機械に不安そうな表情を浮かべていた。

実際、社内には誰も詳しい人はおらず、

取説は厚く、最初のテストでもインクが滲んで失敗した。

そんな時、外部から呼ばれた講師がこう言った。

「この機械は“光で固める”だけ。

 難しいのは“どう使うか”だよ」

講師は用意していたテンプレートで

名刺ケースを印刷させ、成功体験を作らせた。

印刷後にできた“自分の名前入りのサンプル”を手にした瞬間、

若手の表情が変わった。「これ、自分で作ったんですか?」

そこから、彼は1か月後には応用編に挑戦。

現場から依頼されたパッケージサンプルを自ら作り、

その案が顧客に採用された。

「機械は難しいものではない。

 “人”がそれをどう活かすかがカギだ」

その経験を通じて、社内の空気も変わっていった。

今ではその彼が、後輩に教える立場になっている。



【Primal Design.Labo合同会社の導入支援】


弊社では、設備選定の相談段階から、

試作・見積・助成金申請・設置・教育・内製化支援までを

一貫して対応しております。UVプリンタや3Dプリンタを含む

多種多様な機器に対応し、導入だけでなく

「使われ続けるための仕組み」までサポート。

内製化推進、品質保証体制の構築、教育設計において、

導入で終わらない“現場の成功”を共に創り出します。



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